ビジネス環境の激しい変化から、新たな経営課題が次々と生まれています。これに伴い人材は変化し、人事部門の役割も大きく変化しています。
人材の変化
かつては人材はレイバー(単純労働力)と呼ばれ、誰もが同じような仕事をし、取替えのきく存在でありました。その後、業務は複雑化・高度化し、誰もができるわけではない状況になりました。そこで人材を経営資源として捉え、「有効活用」すなわち人に当てはめると「適材適所」を目指そうとしたのです。
そして九〇年代後半以降、「サービス化」「お客様志向」「スピード化」といった新たな経営課題が次々に出てくる中で、「ヒューマンキャピタル」という概念が出てきました。
資本は新たな価値を産み出すものです。「ヒューマンキャピタル」という概念は人材を資本として捉え、価値創造を行う存在と捉えます。この人が抜けてしまうと事業や現場の存続できなくなる、事業の新規性が失われてしまう、そんな人は「ヒューマンキャピタル」といえるのではないかと思います。
「ヒューマンキャピタル・マネジメント」
「ヒューマンキャピタル・マネジメント」の考え方の中心は、「財」として人を活かすことにあります。 そこで重要になるのが、従業員が自ら能力を発揮できる環境づくりです。権限の委譲や自律的な学習、 成果型の報酬や個別のキャリア管理等、社員のモチベーションを引き出せるような工夫が重要になっています。また、業界横断的な人材の流動性に対して、優秀な従業員の引止め策、すなわち、「リテンション」も「ヒューマンキャピタル・マネジメント」の特徴と言えます。このように人事では、この「ヒューマンキャピタル」を視野に入れて、人材マネジメントを行っていくケースが見られるようになっています。人事部門の変化
人事部門の役割を、サービスの観点から捉え直すと、三つの機能が見えてきます。1.経営者層に対する企業参謀機能、
2.事業部門に対する事業支援、
3.従業員に対するサービス機能です。
1.経営者層に対する企業参謀機能
人事は経営者に対して「人事戦略のアカウンタビリティ」というビジネスパートナーとしての責任を負います。人材に関する「リスクマネジメント」の役割を担うということを意味します。事業計画と人員のバランス 、人材の管理手法の標準化、事業推進のガイドラインの徹底といった事がポイントになります。 経営者の参謀としての機能もあります。経営目線に立った分析の視点や意思決定の為の材料を提供することも重要な任務です。2.事業部門に対する事業支援
事業部門に対しては、事業目線からの支援が必要です。事業計画立案の支援やライン部門における人材管理の支援も考えられます。とりわけ重要なのが、部門間の調整や橋渡しです。これは全体を俯瞰している人事部門ならではの機能です。3.従業員に対するサービス機能
従業員に対しては、成長目標となるモデルやキャリアプラン、キャリアパスなどに対する支援が重要になります。そのためのヒアリングやコーチングなど、個々人の相談役としての役割も欠かせません。また、学習プログラムの選択肢を増やしたり、コミュニティーサイトなどの情報交換の仕組みづくりも検討する価値があります。以上を整理しますと、これからの人事には「経営者目線」や「現場目線」を組み込んだ包括的なサービス機能を備えることが求められていると言えます。





